日頃の疲れが取れない、気分が上がらない、色んな症状が出る、集中力が減った、肩こりがひどい…
このいずれか、もしくは全部に当てはまる人は結構いらっしゃいます。
実はその原因はある筋肉にあるかもしれません。この筋肉の力を取り戻すことでそれまでの状態がガラリと変わることもあるので、ぜひ取り組んでみてほしいと思います。
その筋肉とは横隔膜です。
今回は横隔膜という筋肉のケアやパワーアップの方法をご紹介していきます。
目次
横隔膜とは
横隔膜はちょうど、みぞおちの辺りの高さで肺とお腹の内臓を仕切る筋肉です。
役割は「呼吸」で、この横隔膜がお腹側に引っ張ることによって肺が膨らむ(酸素が入る)仕組みです。「呼吸」に関わるため生命に直結する筋肉です。
余談ですが、横隔膜は頚椎4番から命令が行っていますので、脊髄損傷で頚椎4番から上で損傷すると横隔膜に命令が行かずに呼吸が出来ず、死のリスクが高まります。それくらい大切な筋肉なのです。
現代人の横隔膜は弱い!?
現代人は生活の中で横隔膜をしっかりと使う機会が減ってきており、生命維持に最低限必要な「呼吸」しかしていない人が増えています。
しっかりと使うとは、いわゆる深い腹式呼吸のことで横隔膜の上下運動がしっかりしているのですが
呼吸が浅い現代人は横隔膜がほとんど上下していないということです。
主な原因は、デスクワークやスマホなどで姿勢が悪い状態が続いてしまって横隔膜が働きにくいこと。また、身体を動かす機会が減ることで心肺機能に適度な負荷がかからないのも問題です。
息があがることで横隔膜は強制的に働きますが、全く運動しない生活は問題です。ただ、過剰な負荷も良くない側面があるのであくまでも軽く息が上がる程度としておきます。
横隔膜が弱くなると…
横隔膜も筋肉ですので、普段から筋肉の運動量が少なければ徐々に弱くなり、次第に使えなくなっていきます。
つまり深く吸おうと思っても吸えなくなるのです。
呼吸が浅くなることで問題になるのは以下のようなことが挙げられます。
1. 酸素不足
浅い呼吸になることで、血液中の酸素濃度が低くなります。全身の細胞や組織に十分な酸素が供給されなくなり、疲労感や集中力の低下、頭痛などを引き起こす可能性があります。
2. ストレスの増加
浅い呼吸は交感神経を刺激し、身体がストレス状態にあると認識させます。これは心拍数や血圧を上昇させ、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加します。長期的に見ると、ストレスが蓄積され、心身の健康に悪影響を及ぼします。
3. リラックスできない
深い呼吸は、副交感神経を活性化させ、リラックス状態を促進します。逆に、浅い呼吸では身体が緊張状態を維持しやすく、リラックスすることが難しくなります。これにより、不安感や不眠症のリスクが高まることがあります。
4. 姿勢や筋肉の緊張に影響
前述の通り、浅い呼吸は胸や肩を使う呼吸になりがちで、これが長期間続くと首や肩の筋肉が緊張し、姿勢の悪化や肩こり、背中の痛みなどを引き起こす原因にもなります。横隔膜を使った深い腹式呼吸では、肩の筋肉を使わないで呼吸ができるのでそういった筋肉の緊張が緩和されやすくなります。
5. 心肺機能の低下
浅い呼吸は、肺の一部しか使わないため、肺の換気効率が低下します。長期的に浅い呼吸が続くと、肺が十分に機能しなくなり、心肺機能が低下するリスクが高まります。また、運動時の持久力やパフォーマンスにも影響します。
6. 免疫力の低下
浅い呼吸による酸素不足やストレスの増加は、免疫機能にも悪影響があり、免疫系が弱まると抵抗力が低下するため色々な面でマイナスになることがあります。
7. 消化機能の低下
浅い呼吸が続くと、消化器系に影響を及ぼすことがあります。ストレスによる交感神経の優位や、酸素不足が原因で消化機能が低下し、胃腸の不調や消化不良を引き起こす可能性があります。
また、横隔膜がしっかりしていれば上下運動によって周囲の肝臓や胃、膵臓といった臓器をマッサージしてくれる作用があり、他臓器にも良い影響があるのですがその作用もできなくなります。
横隔膜が強くなるには
筋肉は長く使わなければ衰え、使えば鍛えられるので
横隔膜も同様に使うことで強くすることができます。
普段から頭痛や肩こり・首こりで悩んでいる人は往々にして横隔膜が弱っている傾向にあるのでいくらヘッドスパをしても肩を揉んでもすぐにまた緊張してきてしまいます。
現時点で横隔膜がそこまで弱っていない人、かなり弱っている人用にセ分けてルフケアを紹介しますので参考にしてみてください。